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SHARPのAQUOS R7を入手したのでレビューしてみる。AQUOS R7は前モデルのR6と同様、1インチの大型イメージセンサーのカメラを搭載したスマートフォンだ。ただ、イメージセンサーの大きさは同じ1インチだが、オートフォーカスが像面位相差センサーを搭載したことで性能が向上したことに加え、アスペクト比も3:2から一般的な4:3に変更されている。

AQUOS R6のカメラはとにかくオートフォーカスが遅くて、ドジでノロマなカメラだった。AQUOS R7ではそれが2倍速いという触れ込みだが、2倍ってレベルではなく速いと以前の実機レビューで書いたが、実際そうなのかレビューしてみたい。また、同じ1インチのイメージセンサーを搭載するXiaomi 12S Ultraとも比較をしてみたいと思う。

AQUOS R7はR6からかなりの変化がある。ディスプレイとボディがフラットでスクエアになった。なんかルー大柴みたいな言い方になってしまった。購入したAQUOS R7の色はシルバーで、背面はサラサラした金属加工がされている。昨今は背面がガラスパネルになっているスマホも多いので、少し目新しい。が、スマホケースを付けてしまえば関係ない。

フラットになった画面はAQUOS R6から変わらずPro IGZO OLEDで、最大輝度が2,000ニトとなっている。明るさだけはiPhone14 Proシリーズに匹敵するが、このPro IGZO OLEDはどうも画面表示にパラつき感があって慣れない。リフレッシュレートが240Hzなのだが、黒画面を挟んで省電力化を図っているのかもしれないが、黒画面なんか挟まないで普通にぬるぬると表示して欲しい。

メモリーはAQUOS R6から変化なく12GBだが、ストレージは128GBから倍増の256GBとなった。また最近では珍しくなったmicroSDカードによるストレージの追加もAQUOS R6と同様に可能だ。
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SoCはSnapdragon 8 Gen 1だが、省電力を優先しているのか、AnTuTuのスコアが安定しない。かなり何回かチャレンジしてようやく96万点台のスコアを記録したが、それ以外は70万点や80万点と言うスコアばかりでSnapdragon 888との差が感じられない結果だった。

ま、そんな話はいつものようにどうでもいいか。早速カメラのレビューをしてみたいと思う。対決の相手は同じ1インチセンサーのカメラを搭載したと言う触れ込みのXiaomi 12S Ultraだ。どれも上の画像がAQUOS R7で下が12S Ultraになる。撮影した日が異なり、特にXiaomi 12S Ultraの方は雨上がりの夜なので、だいぶ趣が異なるためご容赦いただきたい。
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まずは恒例の花園神社。広角カメラでの比較。AQUOS R7は暗いところだとピントが怪しくなるのとノイズ処理の影響で、だいぶソフトな画像になってしまう。一方同じイメージセンサーを使っているXiaomi 12S Ultraの方はカリッとした画像だ。暗所での画像処理はXiaomi 12S Ultraの方が上手だ。
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続いて、超広角カメラでの比較となる。AQUOS R7はイメージセンサーを全画素分使うだけなので、全体の印象は広角カメラと同じだ。全体的にソフトな印象。Xioami 12S Ultraも超広角カメラは広角カメラほど解像度は高くないが、他のスマホの超広角カメラに比べるとかなり細部まで描写できている。
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ゴジラロードでの超広角カメラでの比較。AQUOS R7も明るい場所ではかなり良くなる。明るい看板の文字の輪郭の処理が少し気になるが、全体的にはかなりキレイな画像となっている。大きなイメージセンサーの本領発揮といったところか。Xiaomi 12S Ultraも悪くはないが、ここはAQUOS R7の軍配が上がる。ただ画角はAQUOS R7の方が狭い。
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次は広角カメラでの比較だ。AQUOS R7は遠景のピントが甘くなっている。手前側の看板の文字ははっきり写っているので、イメージセンサーが大きいため被写界深度が浅くなっているせいかと思われる。ただXiaomi 12S Ultraでは手前から遠景までしっかりとピントが合っているので、オートフォーカスの精度の問題のようにも思われる。
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次は望遠カメラでの比較となる。AQUOS R7はデジタルズームになるので明らかに分が悪い。全体的にモヤッとしている。Xiaomi 12S Ultraの方は5倍ペリスコープカメラによる望遠なので、かなりクッキリしている。AQUOS R7は1個のイメージセンサーで頑張っているが、デジタルズームも4,800万画素からのトリミングでもう少し上手く処理できないものだろうか。
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「歌舞伎町一番街」で望遠2倍での比較。AQUOS R7はこちらも同様に全体的にモヤッとしている。Xiaomi 12S Ultraの方もデジタルズームによる2倍望遠だが、AQUOS R7よりははるかにマシだ。AQUOS R7と同様に広角カメラからのトリミングだと思われる。
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最後は「ドン・キホーテ」の交差点を超広角カメラで比較。AQUOS R7は悪くないが、イメージセンサーが大きいので当たり前か。Xiaomi 12S Ultraも頑張っている。夜間の撮影ではAQUOS R7はイメージセンサーの大きさを上手く生かすだけの画像処理が苦手なようだ。

と言うわけで、同じイメージセンサーを搭載し、LEICAとコラボしたAQUOS R7とXiaomi 12S Ultraだが、画像処理の差が大きいような気がする。Xiaomiは12S Ultraで初めてLEICAと組んだことになるが、以前からDXOMARKでも高得点を取っていたので、画像処理には定評がある。DXOMARKスペシャルチューニングがされているという話もあるが。

SHARPにはもう少し画像処理を強化して欲しいところだ。とは言え、AQUOS R6からの進化は大きい。オートフォーカスは2倍以上速くなって、いつ撮影できたのか分からないと言うストレスは全くなくなった。AQUOS R6のあのドジでノロマなカメラからすると、ようやく普通に使えるカメラに進化したのは間違いない。